ふだん見ることができないデザイナーたちのアトリエやスタジオを公開するという、ユニークなエキシビション「how studio」が開催中だ(明日4日まで)。
今回自身の創作の現場で未発表をふくむ最新作やプロトタイプを公開したのは、スキーマ建築計画、ドリルデザイン、倉本仁、角田陽太の4組のデザイナー・建築家たち。いずれもが、この秋のデザイン・ウィーク期間中、どこかで作品を発表したり、トークイベントなどに登場している押しもおされぬ人気デザイナーたちである。昨夜訪れたHAPPA以外の展示会場となるアトリエ・スタジオを、今日の夕方から一気にまわってきた。
彼らのアトリエは目黒川をはさみ、中目黒エリアに位置している。本展をきっかけにデザイン界の中目黒派というジャンルが生まれそうだ。
ふと思ったのだが、今秋のデザインイベントの会場がJR山手線の内側、それも東京の西側に位置するものが多い気がする。代官山蔦屋の「DDD」や、下北沢でおこなわれている「東京物産展」など、かつてのデザインイベントの中心地からはかなり西側に位置している。
DMに描かれた地図を頼りに街を歩きながら、黄色いコーンを目印に彼らのアトリエを目指す。その道すがらも楽しい。中目黒駅からも近い山手通り沿いのビルにある倉本仁のスタジオでは、製品化前の試作品数点と、これまでの作品のマテリアルなどを見ることができる。山手通りから目黒川を越え、閑静な住宅街の中にある可愛らしい一軒家はドリルデザインのアトリエ。彼らのこれまでの代表作や、アオイ・フーバー氏とのコラボ作品の新作など、実際に彼らの作品を購入できる。
最後に訪れたのが若手最注目で現在入れ食い状態のデザイナー角田陽太の中目黒のスタジオ。オシャレショップが軒を連ねるエリアにあるマンションの一室では、古道具屋と見まごうような展示が行なわれていた。"作品"といわゆる"元ネタ"が併置される展示構成は挑戦的なもの。インスピレーションと収集趣味が彼の頭のなかで整理され、作品としてアウトプットされていることをイメージさせる。
頭の中のか、場所なのか。デザインが生まれるのはどこなのか?そんな謎解きのような楽しみ方もできるエキシビションだ。
how studio
開催中〜11月4日(月・振休)
12:00~19:00 in each studio