FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

何に着目すべきか?
1.jpg

いよいよ明日土曜日15時から(開場14時30分です)開催のトークセッション「何に着目すべきか?」(〜21時まで予定。入場無料)。当日は来場者のみなさんに「何に着目すべきか?」のアイコンのひとつである「コースター」の無料配布や、代々木上原のお弁当屋さん「Chioben」さんの「何に着目すべきか?」限定の麺料理も楽しめます。


アサヒ・アートスクエアで行うイベントとしては第2回目となる今回の「何に着目すべきか?」は、『LOST & FOUND 価値の再発見』をテーマに、既存の物事にあらたな視点からの光を照射する試みをされているゲストの皆さんをお招きし、それぞれの活動のご紹介を編集的な視点を交えてうかがいます。

前回の「何に着目すべきか?」と同様、今回も舞台と客席、ゲストとホストの垣根を越えた、教室とキッチンとライブラリーの中間のような、真剣な議論のなかにも、少し笑いのある、クリティカルな場を皆さんと一緒につくることができればと思っています。

今回もコアメンバーである橋詰宗くん、古賀稔章くん、木村稔将くん、加藤孝司の4名に加え、飯田将平くん、川瀬英嗣くんに前回に引き続きお手伝いいただきます。それと今回は僕がいまお手伝いさせていただいている早稲田大学渡辺仁史研究室の「時間本」でもご一緒している、早稲田大学大学院の小池太輔くんにも参加いただいています。
前回会場で無料配布した『天婦羅屋トーク』の冊子ですが、今回は飯田くん、川瀬くん、小池くんの3名がチームで今回のために、事前に浅草をフィールドワークして作成した冊子を配布する予定です。こちらもどうぞご期待下さい。

以下は当日ご出演いただくゲストの皆さんのご紹介を兼ねて、事前にいただいたテキストを僕なりの解釈で再構成、あるいはプロフィールを引用させていただいたテクストになります。

あらためまして、明日4月21日土曜日は、浅草の対岸、隅田川のほとりにあるアサヒ・アートスクエア4Fにぜひお越し下さい。


第1部は主に編集的な視点から「LOST & FOUND」、「再発見」にまつわる活動のあるゲストの皆さんにお話を伺います。:15:00-17:30(予定)

白井宏昌さん(建築家)オランダの設計事務所、レム・コールハース率いる OMAに2001年より5年間勤務。現在、東京、台北、北京のアジアの3都市に拠点を置くH2Rアーキテクツとして活動。社会科学に特化した研究・教育機関「ロンドン・スクール・オブ・エコノミスクス」にも在籍し、オリンピック都市の研究家としても知られる。近作についてや、オリンピック都市の遺産、OMA(=レム・コールハース)での「編集的」なアプローチなどのお話もうかがいます。

NOMAZONさん(仮想ブックショップ) Amazonのリストにはない本をウェブ上に収集、ロングテールのさらに先をいく仮想ブックショップ。ZINE、自費出版本、フリーペーパー、カタログ、スペシャル・エディション、電子書籍などオールジャンルから、良質かつインディペンデントな本を中心にセレクトしている。書物との新しい出会いの場を創出している。

柴田隆寛さん(編集者) 『HUGE』をはじめとする雑誌や書籍、webやカタログ、イベント制作など幅広く編集に携わる柴田さん。主な編著書に『TooLs』『TooLs 2012』(講談社)、『BEAMS EYE ON OKINAWA ビームスの沖縄』(ビームス)、『リサ・ラーソン作品集』など。また、ストックホルムのデザインユニット、こどものためのアートブックレーベル“TREE FRUITS PRESS”のメンバーとしても活動しています。今回は衣食住を創造する日用の道具としての「TooLs」での試みから、「道具」の再発見についてお話をうかがいます。

室賀清徳さん(アイデア編集長)1999年より誠文堂新光社勤務。『アイデア』はじめデザイン,タイポグラフィ関連書の編集に関わる室賀さんには、アイデア編集長としての視点から、アイデア誌の膨大な過去のアーカイブの中からベスト・オブ・アイデアについてうかがう予定です。

ミヤギフトシさん(アーティスト)沖縄生まれ。主な個展に「The Cocktail Party」「Brief Procedures」ダニエル・ライヒ(ニューヨーク)、「A Cup Of Tea」ヒロミヨシイ(東京)。主なグループ展としてパース インスティチュート オブ コンテンポラリー アート(オーストラリア)、ボルドー現代美術館(フランス)など。同人誌「OSSU」を友人たちと共同主宰している。世界中の見知らぬ人とのビデオチャット越しのシーンを撮影した作品など、人と人の関係性に問いを投げかけ、それを写真作品と結実させるミヤギさん。自身の出身地である沖縄と向き合いながらの作品も制作。「日本とアメリカのホモソーシャルな関係。そこに入りきれない沖縄という女性化された存在。女性化された沖縄のなかで抹消されるセクシャルマイノリティの存在。」とは「American Boyfriend」と題して連載中のweblogのなかの言葉。 http://fmiyagi.tumblr.com/ 2012年7月には東京で個展も開催予定です。



第2部はデザイナー・アーティストの方々に批評家の方を交え、時間軸を横断した活動を実践をされている方々のお話をうかがいながら進行いたします。
18:00-20:30(予定)

奥村雄樹さん(アーティスト)2012年東京藝術大学大学院美術研究科、博士後期課程修了。身体が孕む密室構造において不確定的に重ね合わされた複数の可能性のひとつを外界に出力することで、客観的な事実とは異なる超常的な現実が現れるさまを、主に映像を用いて捉える。近年は翻訳や吹き替えにおける一人称の作用に着目し、落語家や通訳家をフィーチャーしたプロジェクトを展開している。自身も翻訳家として活動するほか、実名あるいは山辺冷名義で執筆も手がける。子どもを対象としたワークショップ「くうそうかいぼうがく」を各地で実施している。2012年は東京国立近代美術館、東京都現代美術館、愛知県美術館などで映像作品やパフォーマンスを発表予定。

加藤賢策さん(デザイナー)株式会社東京ピストル 取締役/アートディレクター/グラフィックデザイナー。『日常/場違い』展『泉太郎/こねる』展『日常/ワケあり』展(神奈川県民ホールギャラリー)、『リフレクション/映像が見せる“もうひとつの世界”』『大友良英/アンサンブルズ2010-共振』展(水戸芸術館現代美術センター)、『再考現学』(国際芸術センター青森)等の展覧会のアートディレクション、グラフィックデザインの他、サイン計画やウェブデザインなど幅広い活動を行っている。武蔵野美術大学、女子美術大学非常勤講師。最新作は浅草文化観光センター(台東区。設計:隈研吾建築設計事務所)のサイン計画。

森大志郎さん(デザイナー)美術展や映画祭カタログ等のエディトリアル・デザインを主に手がける。主な仕事に、東京国立近代美術館Gallery4展覧会シリーズ、『ヴィデオを待ちながら――映像、60年代から 今日へ』(東京国立近代美術館)、『清方ノスタルジア』(サントリー美術館)、『トレース・エレメンツ』(東京オペラシティアートギャラリー)、『蔡国強』(広島市現代美術館)、『「出版物=印刷された問題 (printedmatter)」:ロバート・スミッソンの眺望』(上崎千との共作『アイデア』320、誠文堂新光社)。近作は小林和人さんの「あたらしい日用品」。書籍やポスターなどのエディトリアルデザインの工程で発生する多くの版やデザインのアーカイブの可能性についてなど、お話をうかがいます。

上崎千さん(批評家)芸術学・批評・アーカイヴ理論。2007年より慶應義塾大学附属の研究アート・センターにて、戦後日本の芸術に関するアーカイヴの授業をしながら設計、実践的な構築に従事している。同大学非常勤講師もつとめる。主な論文に「岡崎乾二郎のディプティック」『SAP Journal』10号(セゾンアートプログラム)、「アーカイヴと表現(A Whole List of Things)」『ARTLET』28号(慶應義塾大学アート・センター)など。アーカイブと地質学の類似についての論考などがある。

富井大裕さん(アーティスト)新潟県生まれ。1999年武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了。2011年より日本大学芸術学部助教。最初は石膏による小さな人型の作品を発表していたが、既製品を台座に使用した人型のシリーズを経て、現在は既製品のみを組み合わせた作品を制作。その素材にはビニルテープやストロー、ポストイット、画鋲、キッチン用スポンジ、カーペットにハンマーなど様々な日用品や生活用品を用い、それらを並べる、重ねる、束ねる、折り曲げるなど非常に簡単な手法で組み合わせて造形作品とする。既製品を元来の機能や意味から解放し、色やかたちにまで還元し組み合わせることで彫刻を実践している。「MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方」(東京都現代美術館)、 「横浜トリエンナーレ2011 世界はどこまで知ることができるか?」(横浜美術館)などに作品を出品している。

下道基行さん(アーティスト)1978年岡山生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒。2005年、『戦争のかたち』(リトルモア刊)を発表。トーチカ=砲台跡などの戦争遺跡を撮影した写真作品でしられる下道さん。3.11以後はバイクで日本国内を旅し、そこで出会った風景を撮影し、ファクシミリでギャラリーに送信するというフィールドワークによるプロジェクトを行なっている。今和次郎が提唱した「考現学」をキーワードに日常と芸術の関係を探るグループ展「再考現学展」(2012年)にも参加。考現学を再考し、遺跡という現代の異物を、フラットな視点で写真として切りとる下道さんの現在と過去を横断する思考をうかがいます。

水野大二郎さん(批評家)慶応義塾大学環境情報学部専任講師(有期)。2008年英国王立ロイヤルカレッジオブアートファッションデザイン博士課程後期修了。芸術博士(ファッションデザイン)現在デザインプロジェクト・DESIGNEAST実行委員、ファッション批評誌・Fashionista編集委員、Inclusive Design Now実行委員、FabLab Japanメンバーとしたも活動。ファッション、デザイン、都市や社会など。個人的なものと社会的なものをつなぐ、立場の異なった人同士をつなげる「インクルーシブ」な視野にたった実践的な活動についてうかがいます。
Diary | permalink | comments(0) | -