FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

GENERAL STORE OPEN
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STUSSY LIVIN' GENERAL STOREレーベルが誕生。

’80年代のカウンターカルチャーの時代を経て、グローバルな時代におけるものづくりを視野に入れた、ステューシーが提案する日用品の数々。

第一弾のコレクションは、初期ステューシーのテキスタイルをモチーフにした、ファブリックトレイやコースター、スケボーのウィールをモチーフにしたソープ、葉山のげんべいのビーチサンダル、ミュージシャンのライブツアーではお馴染みの黒いトランクのプライウッド・バージョン、オーガニックコットンを使用したソックス、クラフト感あるバッグで人気のテンべアとのコラボトートなど、ファッションもスケートも生活の一部と捉えるステューシーらしいラインナップ。

そして今回のステューシーのものづくりのパートナーは、ファニチャーレーベルの枠を超えたノンジャンルな活動で人気の高いランドスケーププロダクツ。アメリカ西海岸発祥のカルチャーにインスパイヤーされたそのものづくりのスタンスは、あらゆる面におけるノーボーダーなスタンス、良質、という点において共通している。
ステューシーとの今回のプロジェクトでは、日本のマニファクチャーレーベルとしていちからつくり出すだけでなく、ショップ、プレイマウンテンでの実践同様、アノニマスなものの良さ、買いやすい値段で良質なものの価値を、ステューシーのアイデンティティとともに伝える試みともなっている。

店頭には9月頃から並ぶ予定ということで、この秋が楽しみだ。


STUSSY LIVIN' GENERAL STORE
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ART FAIR TOKYO 2011プレヴュー
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今年の3月に予定されていたが、東日本大震災の影響で延期となっていたアートフェア東京2011が明日から開催。
国内外のギャラリー130以上が参加する国内最大規模のアートフェアとあって、日本画、工芸品、現代アートと幅広いジャンルの国内外のアートが集まっており、それなりに見応えがあった。

個人的なトピックスは、今回アートフェア初参戦となる名古屋のギャラリーNのお二人に会うことだ。ギャラリーNは昨年3月のギャラリーNでの展示も記憶に新しい、金沢の工芸作家伊能一三さんの「へいわののりもの」の新作を発表。コケティッシュな動物たちを、よりよい未来と世界の平和を運んでくる乗り物にみたて本作品は、ともすると浮世離れしてしまいがちなアートがもつ世界観から、震災以後の僕たちの心を穏やかなかちで日常につなぎとめる、そんな存在感をにじみださせていた。

もうひとつのアートフェアに対する個人的な興味は、普段のギャラリースペースより、広いとはいえないアートフェアの展示空間で、おのおののギャラリーが、このタイミングでいかなる所属作家さ作品をフューチャーしてくるかということだ。
そこにこのアートフェアへの意気込みや、ギャラリーが現在、どんなスタンスで国内の現代アートの市場に関わりその"価値"みているかが、なんとなくだが見えてくるから面白い。
その点でいえば、ギャラリーNのお隣ブースでの展示となった、新進ギャラリーとして注目を集めるNANZUKA UNDERGROUNDの、ボール紙の"仏像"一本で空間を埋め尽くしたせめせめの展示も見応えがあった。


アートフェア東京は明日、7月29日から7月31日までの3日間。
東京国際フォーラム 展示ホール&ロビーギャラリーにて開催。
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ロングセラーはファッションか?
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ロングセラー商品も「強いクリエーション」と捉え、ロン​グライフプロダクトをあつかうD&DEPARTMENT​とコラボレーションショップを開いたCOMME des GARÇONS。
場所は表参道、そしてGYREという商業ビルでのショッ​プ展開とあって、今回の出店に関しての主導権はCOMM​E des GARÇONSにあるのだろう。

通路に面したショップの顔は、D&DEPARTMENT​のロングライフプロダクトが並ぶコーナー。店頭にはD&​DEPARTMENTが創業当時から展開するバイクのシ​ートを使用したスツールなどが並ぶ。コンパクトながらこ​のプロジェクトをD&DEPARTMENTのある意味原​点回帰とする意気込みが感じられる品揃えだ。

細長い店内の奥半分はCOMME des GARÇONSの洋服が並ぶ空間。什器類も前面のD&D​EPARTMENTコーナーとは一線を画す、ファッショ​ンブランドらしい、色気のある空間だ。
説明するまでもなくCOMME des GARÇONSは1969年のブランド発足以来、今にも​続く布地の独特のダメージ加工や'80年代の黒の時代を​経て、2000年代に入ってのポップカルチャーへの接近​ともとれるような、ライトカジュアルの展開など、アイテ​ムや対象とするマーケットも多様化してみせる、時代時代​での話題作りに事欠くことのない、日本発のグローバルな​ファッションブランドだ。

個人的な見解をいえば、D&DEPARTMENTは定番​の商品をあつかうショップ、あるいはD&DEPARTM​ENTが「定番」と捉えたマスプロダクトを扱うショップ​だと僕は理解するのだが、ゆえにD&DEPARTMEN​Tのあつかう商品は、スタイルやファッションとは最も縁​遠いものだ。あえてファッションのなかの言語で表現すれ​ばそれらは、最初名前を持たずある意志のもと蒐集され、その名前を与えられることでそれ自身となる「古着」に近いものだろう。
季節ごとに移り変わる様相、シーズンごとに変わるレイア​ウト、消費を喚起するもの、定期的に品揃えの変わるクリ​エーションを「ファッション」ということがあるが、シー​ズンごとにあらかじめテーマをもうけ、市場に打って出る​服飾のスタンスは、言葉が示すとおりの、まさにファッシ​ョンというべき存在だろう。

かたや定番といわれるものは、そういった意味での「ファ​ッション」や流行とは一番縁遠いものだ。めまぐるしく変​わるファッションに嫌気をさした人びとがたどり着くのが​定番スタイルであり、昨今の暮らしをキーワードとした概​念である。
もし、COMME des GARÇONSをちまたの「ファッション」と区別するも​のがあるとするならば、特別な加工を得意とするCOMM​E des GARÇONSの一部のアイテムにあるように思う。それ​は、マスプロダクトであると同時に、マニファクチャーに​近いものであること。それがギャルソンのクリエーション​を、モードのアート、アヴァンギャルドとも呼称させるゆ​えんだろう。
両者に無理矢理、共通点を探すとすれば、ベーシックなプ​ロダクトを扱うカンパニーであるD&DEPARTMEN​Tが近年さかんにその品揃えに取り入れているのが、工業​製品といわれるものよりも、COMME des GARÇONSの一部の製品のクリエーションとも通じる​、マニファクチャーに近いものであることも、今回の表参​道への出店に関係しているのだろうか?

とすれば、GOOD DESIGN SHOPは、ファッションのメッカである表参道で、CO​MME des GARÇONSの製品にはない「定番」を売る試み、そし​てファッションとマニファクチャープロダクトの競演であ​るのは自明のことなのだが、店舗内での両者の空間的な明​確な棲み分け、そこに流れるカラーの不協和音に、一度や​二度、客としてそこを訪れた自分には、その両者に語るべ​き何ものかを見いだすのは容易ではない。
個人的にはひとつやふたつ、実際に欲しいと思う商品があ​ったことが、また次回このショップを訪れるモチベーショ​ンかな、と思っている。



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食べ放題、飲み放題
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TABFが一番の盛り上がりをみせる会期初日の土曜の夕方、会場併設のコミュニティースペースにて、我が国伝統の立ち飲みスタイルである「角打」をお手本にしたオフィシャル飲み会を開催します。ブックフェア会場の盛り上がりの余韻を楽しみながら、美味しいお酒と「本」をつまみに、エピソード、レクチャー等を交えつつ、ブックフェア出展者・来場者ともに新しい交流の場を演出します。フードにはこの日のために特別に集まった、ユニークな出店者による3331周辺で集めたローカルな珍味や乾き物、ワンフィンガーで気軽に楽しめるフードや、All you can...メンバーによって特別にセレクトされた「セレクト駄菓子」をご用意。どなたでも自由に参加できるフリースタイルなイベントです。ふるってご参加ください。

 All you can...
2011年7月16日(土曜日)
17時ー21時
会場:3331 Arts Chiyoda コミュニティースペース+ウッドデッキ
参加費:無料
フード出店予定;ママさんバー、旅ベーグル、ドワネル、chioben

企画・運営:橋詰宗、古賀稔章、木村稔将、加藤孝司
イメージグラフィック:Sou Hasizume

※お飲み物は3331併設のカフェ、もしくはAll you can... 出店ブースの一部で別途ご購入ください。おつまみはAll you can...会場で別途ご購入いただき、All you can... 指定会場内でのみご飲食ください。併設のカフェへのAll you can.. で購入されました商品の持ち込みは固くお断りさせていただきます。

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狂気と狂喜と
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ラ・ガルリ・デ・ナカムラに山口智子さんの久しぶりの個展「一緒にしたり、別々にしたり」を観に行ったのは6月も終わりのころ。

ラ・ガルリ・デ・ナカムラの展示はいつも素晴らしいのですが、今回もゆったりとした空間で、のびのびとした展示をたっぷりと楽しませていただきました。どうもありがとうございます。

山口智子さんのドローイングは、いっけん、いい意味でやさぐれた感じの女性像が魅力的な作品の特徴になっている。ギャラリーの床に整然と並べられたオブジェクト、キャビネットに無造作に掛けられたテキスタイル。そのすべてが等価値な価値をもち、ある種の過程を表出させている。ちょうど3年ほど前に、同じラ・ガルリ・デ・ナカムラで行なわれた「kikyo」と題された山口さんの個展でも、今回どうよう、絵画作品だけでなく、さまざまなアイデアにみちたオブジェクトたちが展示され、印象に残った。

「ききょうとは、帰郷のことであり文字を組み換えると、「きょうき」になる。
狂気とは狂喜や凶器に結びつき、ある種の過剰を意味しているようにみえる。
下着姿の女の子はうつろな目をしており、めざめながらまさしくうつつな夢を見ているようにみえる。ときにペットが描かれることもあるが、今回の個展では白い下着姿の女の子のモチーフが目立つ。白い下着は、山口さんによればこれ以上ない防御のあかしであり、ここに描かれた女の子たちは、白い下着しか身につけていないがゆえにそのあらわな姿にもかかわらず外界から守られているという。」http://form-design.jugem.jp/?eid=296

ちょうど3年前に書いたテキストだが、山口さんの作品はいい意味でまったく変わっていない。狂気と狂喜は紙一重で、作品に描かれた女の子のなかで、恍惚とともに一体となっている。そのさまにその作品をみる者は魅了され、意味以上の意味を盲目にさがすのだろう。



山口智子「一緒にしたり、別々にしたり」
ラ・ガルリ・デ・ナカムラ(会期終了)

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