FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

BOEK DECK END
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LLOVEのブックショップ「BOEK DECK」無事会期終了しました。ご来店いただいたい皆様、本当にどうもありがとうございます。
本の展示用に使用していた建築家門脇耕三氏デザインによる写真の什器、明日日曜日正午までLLOVEのエントランスに置いてあります。有料にておゆずりいたしますので、われこそはという方がいらっしゃいましたら、明日正午会場に直接おこしいただくか、本日中にご連絡ください

BOEK DECKの営業はLLOVEで終了しますが、BOEK DECKとしてまたいつかどこかでお会いしたいなあと思っています。BOEK DECKディレクターの青山のブックショップ&ギャラリーUTRECHT江口氏が本のセレクトに参加している東京駅keiyo Streetにオープンした「BOOK EXPRESS」も一昨日オープンしたばかりです。こちらもご贔屓に!


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コンスタント・ニーヴェンホイスと「ニューバビロン」についてのメモ書き
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コンスタント・ニーヴェンホイスとニューバビロンについての、南後氏長坂氏門脇氏のレクチャーについてTwiiterで告知したところ、リツィートが多かったので、このコンスタントとコンスタントが提唱したプロジェクト、「ニューバビロン」について、少しでも知らなければつまらないような気がしてきて、いろいろな記事を無作為に参照しながら少し調べて書きながら勝手にかなり一方的な理解を承知のうえで考えてみる。
コンスタント・ニーヴェンホイスは1920年にオランダに生まれた芸術家。1957年に結成された芸術建築都市を研究するグループであるシチュアシオニスト・インターナショナル(アンテルナシオナル・シチュアシオニスト、S.I、1957-1972)の創立メンバーになっている。
今村創平氏のテキストによれば、シチュアシオニストの思想や活動は、シチュアシオニストの「漂流」というアイデアがバーナード・チュミの「マンハッタン・トランスクリプト」を生み出し、同じく「心理地理学」からははナイジェル・コーツの運動「今日の物語建築(NATO)」が作られた。そしてフィールドワークという概念もシチュアシオニストがもっていた概念に大きく影響を受けている。レム・コールハースに端を発する都市のリサーチにも影響を与えているというから、シチュアシオニストの活動は建築や都市を考える上で無視出来ないものであることはどうやら間違いがなさそうだ。ちなみにレム・コールハースはジャーナリスト時代の22歳のとき、コンスタント・ニーヴェンホイスにインタヴューしている。それが建築家への転身のきっかけになったことは知られた事実だ。
それにしてもシチュアシオニストとはなんだろうか?
シチュアシオニスト、辞書で調べると「状況主義者」、あるいは状況構築主義者とでる。状況の構築の理論あるいはその実践に参加すること、そして状況を構築することをつとめる者。人名としては、フランスの思想家で映像作家ギー・ドゥボールの名前が一番最初に上がってくる。ドゥボールはアンテルナシオナル・シチュアシオニストの設立者。アンテルナシオナル・シチュアシオニストが設立された1957年といえば、映画作家としてのギー・ドゥボールの世界、前衛的な映画批評家たちが万年筆をムビーカメラに持ち替え、ヌーベルヴァーグといわれる映画を撮り始める前夜と重なる。ヌーベルヴァーグの映像作家たち、ゴダール、トリュフォー、シャブロルらはアメリカ映画を中心とする映画の商業化を批判し'68年のカンヌ映画祭をボイコット。その後「ジガヴェルトフ集団」を名乗り、政治色の強い映像作品を発表していく。

シチュアシオニストは芸術活動という側面と、政治的な、マルクス主義的社会革命、あるいは現状の社会に対する批判的介入としての文化革命といった側面をもつ。コンスタントは後者に属するとサイトには書いてあった。
また、シュールレアリスム運動乗り越えに端を発する「前衛芸術運動」時代、あるいは'62年頃から68年五月革命に至る「政治運動」時代という2つの異なる側面をももつ。これは、’60年代という時代に多分に関係していると思う。'60年代といえば、'50年代後半から続く世界的な変革の時代。この二つの異なる側面がシチュアシオニストをして過激な政治運動とも前衛芸術運動とも、その理解をなかば混乱させる要因になっているような気がする。
実存主義を唱えたフランスの思想家で小説家のジャン=ポール・サルトルの連作評論集「シチュアシオン」が出版が開始されたのが1947年。当初は作家論であったが、社会の政治状況の変化にともない、政治論となっていく。サルトル(師匠)とドゥボール(生徒)という関係性も、'80年代当時フランス思想かぶれであった僕には見逃せない。サルトルは「シチュアシオン」の中で、作家とは「語る者」である以上、現在の社会状況に対して無視していてはならないとして、「行動」の必要性を説いた。僕のシチュアシオニスト理解もこんなところからはじめられそうだ。

さて、コンスタントの「ニューバビロン」だが、芸術家であるコンスタントがなぜ、こんなにも建築や建築家を考えさせる存在たりえているのか。
コンスタントは1952年にアムステルダム市立美術館「人間の居住空間」展で、年少の建築家アルド・ヴァン・アイクと画家と建築家の立場として共同、「空間的色彩主義」を提唱、具現化した。コンスタントはこれを機に建築へと傾倒していったという。色彩と形態の癒合はその後の「ニューバビロン」(1957年)において影響を残している。それに先立つテオ・ファン・ドゥースブルフやモンドリアンらによる、同じオランダの芸術運動「デ・スティル」が色彩のシステムと幾何学的な造形原理とからなっていたことと通じるのだろうか。
そこには「ニューバビロン」が都市を題材にしていながら、建築家ら都市計画者らの「都市計画批判」として存在し、都市の主体をその使用者=住人においていることとも関係しているかもしれない。コンスタントは「ニューバビロン」という名の都市構想プロジェクトにおいて、住民主体のカスタマイズと、そのための技術からなる未来都市、「統一的都市計画」を提唱している。コンスタントが描いた未来都市における、理想的な住人(ニューバビロニアン)は労働と余暇という資本主義の二元論を乗り越えた存在としてのホモ・ルーデンス(遊戯人)とされ、彼らの都市における「遊戯」ふるまいによって都市が永続的に創造されていく。
コンスタントにとって、都市とは特権的に人格によって一元的に創造されるものではなく、社会の権力関係とは無縁なところから創造される。コンスタントはル・コルビジュエの機能主義を否定するのではなく、それを批判的に乗り越えるのだといったという。
既成の都市計画のあり方をを批判しながらも、「ニューバビロン」という、それを構成する住人の永続的自主的な活動によって都市の未来像を描いたコンスタントの50年以上も前の思想は、現代において都市を考える上でも重要な示唆を与えてくれそうだ。
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|BOEK DECK LECTURE 02|
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Whatever PressとUtrechtの共同企画BOEK DECKでは、世界中から集めた現代美術・建築・デザインに関する選書にちなんだレクチャーを開催します。
第一回目はブックディレクターのUTRECHT江口宏志氏、編集者でWhatever Press古賀稔章氏に加え、現代アートのギャラリスト青山秀樹氏をお迎えして、パブリッシャー、アートブックディストリビューターの視点を交えながら、アートの現状を多角的に検証しました。

ー以下、プレスリリースより。
 
第2回目は、社会学者の南後由和氏をお迎えし、LLOVEのアーキテクト・ディレクターである建築家の長坂常氏、BOEK DECKの空間デザインを手がけた建築家・門脇耕三氏による、建築・都市・美術に関する座談会を行ないます。

60年代に活躍したオランダ人前衛芸術家、コンスタント・ニーヴェンホイスによる「ニューバビロン」。 
逸脱的創造を誘発するカスタマイズ可能な都市は、あるルールや制約を引き受けつつ、読替え/書換えによって自由を謳歌しようと志向したユートビア都市のモデルです。
 
そこに流れる精神は、LLOVEにおいて、積極的な「誤読」によって既存の建築の書き換えを行った
長坂常氏をはじめとする他の建築家にも通じるアプローチではないかと思います。
そこから現代建築とアートにおける、計画しえないものの計画する手法を探っていきます。

マットレスに腰掛けて聞けるリラックスした雰囲気で行ないますので、ぜひお気軽にお越しください。
終了後は1Fカフェでの簡単なアフターも予定しています。

|BOEK DECK LECTURE 02|

2010年11月15日(Mon)  19:30 - 21:30 @LLOVE

テーマ:60年代オランダと現代日本、「誤読」「書き換え」「遊び」の手法
〜コンスタント・ニーヴェンホイスのニューバビロンとその周辺の流れから〜
 
話者:南後由和(社会学者|東京大学助教)× 長坂常(建築家|スキーマ建築計画) × 門脇耕三(建築家|首都大学助教)

 モデレータ:木戸昌史(Whatever Press)、古賀稔章 (Whatever Press) 
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会場 :
LLOVE( 代官山 i スタジオ )2F LLOVETHEATER
東京都渋谷区恵比寿西1-36-10
東急東横線代官山駅から徒歩1分
03-3461-8813(月〜金、10時〜17時)
 
LLOVETHEATER :
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予約不要
入場料:無料
定員:20名程度
言語:日本語
問い合わせ:info@whateverpress.com 
 
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Whatever Press 
 
Utrecht / NOW IDeA
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東京環状会議
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11月2日、CETイベント「東京環状会議」参加します。
時間は18:00〜20:00、入場無料です。ぜひお越し下さい。


    東京環状会議
      明日行なわれる東京環状会議とは、東京湾を囲む環状のエリアで、地域に根ざした活動を行なう方々をお迎えして行なわれるトークセッションです。

高野要一郎氏(新島「saro」店長)、寺井元一氏(松戸・マチヅクリエイティブ)、馬場正尊氏(東京R不動産ディレクター、Open A)、竹内昌義氏(みかんぐみ)、岩沢卓氏(有限会社バッタ☆ネイション)、シミズヨシユキ氏(ズィープロダクション)、籾山真人氏(スピーク、ウェッサイ・リライト)、酒井博基氏(デザイナー、立川コミュニティFM東京ウェッサイパーソナリティ)
司会:加藤孝司(デザインジャーナリスト)

僕は浅草生まれで浅草育ち、今もその同じ町に住んでいます。人が住む街とは、本来人間の営みがつくるもの。市場や経済だけでは成り立たないものだ。高密度な「箱もの建築」をつくって人の居場所や街をつくっているという開発者の人たちは、この隙間だらけの、このような小さな街に暮らしたことがあるのえだろか。
「お金があっても、お金持ちらしい暮らしに興味がない人びと」
バブル以降、私有することに価値を見いださない人たちが数多く登場する。私有する必要のないものは仲間とシェアをする。住宅のあり方も、かつての一戸建て信仰、そしてこれまでの郊外型の集合住宅のあり方からも少しずつ変化しているのではないだろうか。
地元を舞台に活動する方々は、街についてどのような考え方をもち、それをそこに暮らす人びととどう共有しようとしているのか。「東京環状会議」が、そこに集まるみなさんが今,考えていることを意見交換するための場になればいいと思います。
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チェアレス体験
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hhstyle青山店の店頭にて、男3人でチェアレス体験。
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