FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

...DESIGNTIDE 2007...
JUR2
デザインタイドのプレヴューを見てきました。個人的な今年の注目は、やはりオランダ勢、しかもユルゲン・ベイとヘラ・ヨンゲリウスが来日しています。
一番目の写真はユルゲン・ベイのバード・ウオッチ・キャビネットです。これが見たかったんです。2枚目の写真にあるようにコンテナの中に古いブランケットのクッションが入っています。クラフトともインスタレーションともいえる、この微妙なさじ加減が最高です。これは見ておかねばいけません。
JUR2
それとヨーリス・ラーマンのヒート・ウエーブが来ています。
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ついに量産されたんですね。ベルギーのラジエーターメーカーであるjaga社からです。
しかも隣にはIVYまでもが!これは欲しい!
JUR2
そして一年ぶりにマルティ・ギセに再会。再会といっても握手しただけですが・・・。先日のキャンディレストランの写真を見せたら喜んでくれました。
マルティは新作キャンバス・ファニチャーで参戦。
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まさにキャンバスが張り地になった家具シリーズです。
ピート・ヘイン・イークはシボネからの参加。
PIET
ゴーカートです。これ実際に乗れるようです。動くアート。勇気のある方はぜひ会場で乗ってみてください。
スウェーデンからY山さんと一年ぶりの再会。去年のFRONT取材では大変おせわになりました。とても素敵な女性です。しばしFRONT情報などをうかがいながら歓談させていただきました。
明日からはじまるデザインの秋。ぜひ皆さんも楽しんでみてください。

DesignTide / デザインタイド

OPENERSでも明日から毎日更新しています。注目していてください
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ヘラ・ヨンゲリウス覚書2.  hella jongerius
kreo

パリにデザイナーが作る1点ものを中心に扱うギャラリー・クレオに、ヘラ・ヨンゲリウスがデザインしたカップボードがあった。
カバー・カップボードプロジェクトと呼ばれる企画のために作られたカップボードだが、先日友人と話していて、あの棚はきわめてポスト・モダンだね、なんてことになった。
そのカップボードはアンティークの戸棚の引き出しを、白いラッカーでペイントしリ・ユースしている。それをテキストがプリントされたガラスのケースで覆い、同じく白いラッカーでペイントされた足を与えている。
アンティークの戸棚のパーツを再利用することは、それを生み出した近代へのオマージュとも、クラフトへの憧憬ともとれる。

しかしその考えは近代がその意図に反して失ってしまった個の復権をもくろんでいるようにもみえる。
ガラス面にさまざまなプリント方法で印刷されたテクストと写真の斬新さは、このカップボードをいにしえと現在をつなぐヨンゲりウスなりの解釈で、実験的とも無謀ともいえるかたちで示している。2003年、ロンドンのデザイン・ミュージアムで開催されたヨンゲリウスの個展のために用意されたそれらのカップボードは、モダニズムが生み出した合理的なデザイン、形は機能に従うというような一見合理的な整合性をもっている。
しかし既成品をいったん解体しそれを再構成するデザインの方法は、'80年代初頭、ポスト・モダンの時代にアレッサンドロ・メンディーニらが試みた、ポスト・モダンに先立つ'70年代のラディカルな思想に基づいたもの作りの方法論に拠っているところが多いような気がする。

ヨンゲリウスはあの有名な食器のシリーズであるBセットにしてもそうなのだが、一見温かみのあるクラフト感溢れた作品にさえも、既成の価値観から逸脱した野生のたくらみを作品に漂わせることが巧みだ。乳白色に色づけされたそれらのうつわは、牙をそがれ虚勢された小動物のようにも見えるが、その実企業のあり方や、それまでの陶磁器のあり方を根本的に問い直す、一けんその道のプロフェッショナルでは思いもつかないようなやり方で挑戦状をつきつけているともいえるのだ。
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...for afterhours...
after

...afterhours|weblog
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...kisho kurokawa..metabolism...
meta

建築家の黒川紀章さんがお亡くなりになりました。最近では都知事選や参院選に出馬したりして政治の世界での話題が多かった大建築家です。派手な選挙カーやおおげさな言動は建築家としての黒川さんを知らないお茶の間の人びとにも鮮烈な印象を残したものでした。
最近では六本木の新国立美術館を手掛け建築家としての存在感を示したばかりでした。新国立美術館は美しい曲線を描くファサードと内部空間に壮大さが感じられる印象的な建築でした。
つい最近も友人を訪ねて、新橋駅近くにたつ黒川さんの代表作の一つ「中銀カプセルタワー」を訪れたばかりでした。カプセルタワーは読んで字のごとく四角い箱のカプセルが交互に突き出たアヴァンギャルドな建築です。内部空間は当時から見た未来的なものでオーディオなんかが備え付けられています。その形態は自身の別荘にも応用されています。いわゆるカプセルホテルも黒川さんの案といいますから、その先見性は驚くべきものがあります。
あの選挙カーは仲間うちでも賛否がありましたが(否のほうが多かった)、1日にとる食事がチューブ食品数個、とか強靭な行動力をテレビで見ていて超人的なものを感じたばかりだったので、今回の訃報には驚きが隠せません。
最後に昨夜のニュースで見た黒川さんと奥様が二人で交わした最後の会話を引用させていただきます。奥様が黒川さんに「わたしはあまりいい奥さんではなかったとおもいます」と言うと、黒川さんはその言葉を強く否定しながら「本当にすきだったんだから」と言ったそうです。
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...yanaka geikou tenn....
谷中

谷中で芸工展が開催中です。芸工とは工芸とも少しことなるらしく、それがこの名前がついた由来になっているようです。工芸とは辞書をひくと「実用性と美的価値とを兼ね備えた工作物を作ること。また、その作品」とあります。谷中芸工展は今年で15回目。毎年この時期に行われています。
この町にある、ものを作ることや売ることをなりわいとするいくつもの工房や商店の軒先には、谷中芸工展と刷られた赤い手提げがさがっています。
どの町にかぎらず町歩きは楽しいものです。そこにはそれぞれの異なる暮らしや風景があり、それが町の顔ににじみ出しています。それを感じられる町を歩き楽しいものです。
谷中という町は上野の山と、西片などの高級住宅街を含む台地である本郷の間の谷間にあることから付けられた地名だそうです。たしかに谷中のまちまちにはくねくねと曲がりくねった道や路地があり、井戸もそこかしこにあります。それはこの町にかっては小川が何本も流れていたことを思わせます。

谷中に限らず下町にはかって川が多く流れていて、それを埋め立てて作った曲がりくねった道路が数多くあります。私が生まれ育った浅草にもそんな謂れをもつ道が数多く、小さい頃に釣りをした川のなかには埋め立てられて緑道になった川も少なくありません。
谷中は町歩きが楽しい町です。それはかって小川が流れいくつもの丘があり、緑の深いなかに小さな村があったことにも由来しているのかもしれません。
今でもこの町の人々は緑や町に共生するいきものをいつくしむ心を持っているし、かって美しい泉があり今は井戸になっているその同じ水を今も大切にするこころを忘れていません。ひと昔まえまではどの町にもあった町の人々が共同で使う井戸も、今では危険であるということからそのほとんどが埋められてしまっています。

いま谷中に残っている人々のコミュニティは、そんな人と人とのつながりを大切にする気持ちが日々の生活のなかで大切にはぐくんできたものだと思います。それはただ維持しようとすることからは生まれえないものです。それは強い意志で日々努力していく生活のなかから生み出される工芸のようなものです。
だからこの町の人々が作る日常のための小さな道具は、日々更新されていく暮らしのなかから生み出されてきたものだと思うのです。
芸工展とは、そんな谷中で暮らす人々の一年に一度のお祭りです。


※谷中芸工展  10月14日(日)まで東京都台東区谷中界隈で開催されています
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...MARTI GUIXE...real Candy Restaurant...
guixe2
先日もお伝えした丸ビル1階Ease cafeにて開催中のマルティ・ギシェのフード・ショー「キャンディ・レストラン」に再トライしてきました。
今回は連れをつれてどうどうの入場です。その前にかなり買い物をしてきたので両手には荷物がたくさんあります。そして買い物あとの心地よい疲労感が全身を包み込んでいました。
忙しい都会暮しの人たちに甘いキャンディを食べてもらってファッショナブルにセラピーするというこの企画。一見かわいくて、けれど難解。あとから隣にきたOLさん二人組みは、意図がわからないとかまじめにやっているの?なんて招待されたにも関わらず否定的なことばかり言っています。こんな楽しい企画は素直に楽しんでしまった者が勝ちです。ギシェの粋な計らいに感謝しつつ楽しんでしまいましょう。
メニューは4種類。私たちは「Tokyo Menu 」と「Candy Fan Menu」をそれぞれオーダーしました。みそ飴、魚のかたちのグミ、ハンバーガーのかたちをしたグミ、お酒の飴+いちごキャンディーで苺の冷酒、など遊び心溢れるメニューです。
それぞれのキャンディは、お寿司屋さんのねたのようにカウンター内に並べれてていて、キャンディ・シェフが包み紙をほどいてひとつひとつプレートに並べてくれます。それを素敵なウエイトレスさんがテーブルまでサーブしてくれるんです。
白いプレートにはstart ofやsoupなどの文字が書かれ、それぞれにカラフルでおいしそうなキャンディが並べられています。
よく見ると四角いプレートの右側にはギセからのメッセージとビニールの薄い包み紙が束になっています。それが下の写真、プレートの右側に無造作に並べられた包み紙です。
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甘いキャンディはそう何個も平らげられるものではありません。
食べ切れなかったキャンディは付属のビニール袋に入れてお土産に持ち帰ることができます。
文句ばかりいっていたお隣のOLさんも携帯で写真を撮っています。すっかりギシェの世界を楽しんでいるみたいでした。
ギシェは10月31日から11月4日まで開催のデザインタイドat国立競技場に「キャンバス・ファーニチャー」での参加が決まっています。昨年のトリコでの「Spamt」に引き続き、今年は何を見せてくれるか楽しみでなりません。
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...Marti guixe..candy restaurant...
martie

11日まで丸ビル1階cafe Easeで開催中のマルティ・ギシェのフード・インスタレーション「キャンディ・レストラン」。
マルティ・ギシェは食についてのインスタレーションや書籍で知られるスペインのデザイナーだ。しかし本人はいたって元デザイナー=ex designerとしての肩書きを名乗る、異色のデザイナーでもある。
昨年東雲のトリコで開催されたフード・インスタレーション「スパムト」はフランスパンとオリーブオイル、そしてトマトといった食材を使って、ギシェ本人がスタッフや友人たちと軽食を作るといった一種のハプニングのようなパフォーマンスを見せてくれた。

久し振りのギシェのパフォーマンスは今年はなんの予告もなく始まった。今回はギセシェ本人が食事を提供するわけではななそうだが、全てのヴィジュアルや食にまつわるコンセプトを手掛けているようだ。
新丸ビルオープン、そして有楽町にはペニンシュラホテルがグランド・オープンと界隈は昨今話題に事欠くことがない。
今回のマルティ・ギシェのインスタレーションはこの秋ニューオープンする有楽町マルイと丸の内商店会の主催で行われている。

スターターからメインディッシュの全てがキャンディで供されるというから、味ばかりでなく見た目にも鮮やか、鮮烈な印象を残すものになりそうだ。
というのも実際にカフェまで足を運んでみたのだが、肝心の食にはあずかることが出来なかったのだ。なぜならとても一人で入場するような雰囲気ではなかったし、男一人でキャンディというのもどうにも気が引けたからだ。ぜひ今度は連れと一緒に訪れてみたいものだ。

CANDY RESTAURANT

presented by Yurakucho Marui and Marunouchi
Cafe Ease, 1F Marunouchi Building


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Dutch design port...hella jongerius...
port

現在ロッテルダムのTENTにてダッチ・デザイン・ポートというエキシビションが開催中だ。倉庫のような広大な空間をもつギャラリーに集められたのは、現在のオランダデザインを牽引するヘラ・ヨンゲリウスやリチャード・ハッテン、ヨルゲン・ベイ、そして若手ながらダッチ・デザインの勢いと良質さを世界に示して話題のヨーリス・ラールマンやデマーカスファン、中堅どころではウイキ・ソマーズやモーイでの活躍も目覚しいベルトヤン・ポットなど。
現在もしこのラインナップで日本で展覧会を開催したら必ずや世界的にも話題になることは間違いにない。がこれだけのメンバーと作品を組織することは日本ではまずありえないのかもしれない。

展示内容はヘラ・ヨンゲリウスがハンガリーの古いカップ・ボードにマッカム社から発表すみのB-セットのカーラーバージョンのバリエーション、そして同じくマッカムから発表したレッド・ポットのエクスクルーシヴ・バージョンの展示。ヘラの展示で目をひくのがハンガリーのカップボードの使い方だ。ヘラは古いカップボードにあえて扉を付けずに梱包用の透明のビニールシートを張り、四隅をガムテープで処理しただけ。しかしそれがなんともクラフト感あふれる仕上がりになっており、DIYの精神を超えてレディメイドのアート作品のような佇まいだ。
デマーカスファンは今月開催のデザイン・アート・ロンドンではヨーリス・ラールマンとともにカーペンターズ・ギャラリーより作品を発表することになっており、昨年日本に来日したとき以上にイメージに風格とも威厳とも呼べるものが備わってきている。世界のアートシーンでの活躍が今後期待出来そうだ。ウイキ・ソマーズも自身のスタジオから近年積極的に作品製作をしており、独自の作風に深みが増してきている。

また今回目を引いたのがロッテルダムで活動するアトリエ・ファン・リースハウト(Atelier van Lieshout)が手掛けたFRP素材のパーソナルなワークスペース「SKULL」だ。アトリエ・ファン・リースハウトはヨープ・ファン・リースハウトが中心となるデザイン集団。建築家レム・コールハースとの共同プロジェクトでも知られる。これまでもFRPをマテリアルに有機的で巨大な作品を作ってきたが、彼らが今回展示しているSKULL(2005)はFRPの素材感が部屋というモチーフを得てコンパクトだが実用性のあるものになっている。スカルはこれまでもAVLが手掛けてきたモチーフ。人間そしてセックスをテーマにするアトリエ・ファン・リーストらしい、母胎に回帰するかのような雰囲気も併せ持っている。まだまだ日本ではさほど理解されていなが、ますますその活動から目が離せないデザイナー/アーティストに違いない。
このような展示を見て思うのは、ダッチ・デザインの勢いの余力で行われているようなゆるい雰囲気の中であるにも関わらず、置かれてあるプロダクトからはキリッとした存在感が伝わってくること。まったく眩しいかぎりだ。

TENT
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