FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

Konstantin Grcic..SAKE8...2-2.
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グルチッチはドイツの建築&デザイン専門誌『architektur und wohnen magazine』の今年のデザイナー賞を受賞、今のりにのっているインダストリアルデザイナーの一人でもある。
しかし日本ではプロダクトの紹介はされても、本人の紹介はなかなかされていないのが実情だ。インダストリアルデザイナーとしてはその作者よりモノ自体が広く伝わればそれでよいものなのかも知れないが、人を知ることによって見えてくるものが多いことは人間関係の面においても周知の事実である。

世界的にみてもグルチッチの作品の中には優れたデザインと機能性を兼ね備えたものであっても、メーカーの都合により廃盤になった作品も多い。グルチッチ本人も指摘していることだが、そこにはメーカーとデザイナーの円滑なコミュニケーションの不足をみてとることができる。機能的に、そして美的にも優れたアイテムの埋没。そしてそのことによる弊害も出てきているように思う。
グルチッチのプロダクト作品だが、グルチッチのスタジオ写真にもしばしば登場するスチール製のパラステーブルや、折り紙のようなグルチッチの代表作のひとつマーズチェアなどなど。今年の春からは東京のhhstyleでまとめて見ることが出来るようになりそうだ。そんなグルチッチが描く世界観を全貌を含めて紹介する時期は今が適切だと思う。

作り手そしてメーカーそうほうの努力によって救われるプロダクトの生命もある。優れたデザインも人の手に触れられ、使われて初めて磨かれてくるものである。それは日常の中で生まれてくる用の美とも呼ばれ、日々人々の心を満たし豊かにしてきたかけがえのものだ。
伝統とともに北の大地ではぐくまれてきたもの。それが青森の八戸でかぐわしい酒のかおりとともにその土地に根づきこれからも生き続けることを願いたい。
肝心のSAKE8だが5月の祭りの日に振舞おうと思っている。

http://www1.odn.ne.jp/hachituru/sake8.htm
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.MEDIA SKIN..Tokujin Yoshioka.
media

2.4インチのディスプレイを備えたメディアスキンのボディは携帯電話には不可欠な要素であるキーボードを本体と同色のフリップで覆うことによってまるでイタリアのプロダクトデザインのような美しさと、モノとしての万全の機能を備えたオブジェのような風格を持っている。従来のワンセグ機能をもった携帯電話と比べて全体的なフォルムは凹凸が少なくフラットで薄く、手に持ったときの印象は携帯電話というよりもステーショナリーの一種のようなより身近な存在感をかもし出してるから不思議だ。そして相手の音声を伝えるためのスピーカーが前面に見当たらないこともこの美しいモノとしてのフォルムを保つための重要な要素となっているようにみえる。
メディアスキンは触覚に訴えかけるという携帯電話には求められなかった機能を満たすためにも細心の注意が払われている。プレスリリースにみられる『ドロドロの液体から引き上げられた』かのような質感、やわらかさの印象を追求したというカラーリングは、それぞれの色ごとにシリコンとウレタンの粒子を配合した特殊な塗料が使われたという。特にベビーパウダータッチのホワイトカラーの仕上がりは見事で、Tokujin Yoshioka DesignのインスタレーションSuper Fiber Revolutionの粉雪のような白を連想させる。
また時代の感性に敏感なわれわれに、より身近なスキンであるためには最新の多機能が求められる。ワンセグ、カメラ、フェリカやsuicaはもちろん、メインディスプレイには強化ガラスが採用され、モニターには高画質で視野角が広い有機ELディスプレイを携帯電話としては世界で初めて採用。美しいリアルに近い色彩を再現している。
サウンドシステムにはこのモデル独自のプログラムが開発されたそうで、まさに携帯電話という機能とニーズに即した日常にもちいられるためのナチュラルでソフィスティケイトされたサウンドデザインが用いられている。

携帯電話にありがちなフォルムから離れるためのフォルムを獲得するために、ただデザインのためだけのデザインではなく、機能のためのデザインを施すことによって一般性から解消される特殊な美しさというものを獲得している。 また同時に携帯電話とは本来このようなものであった、と思わせるような普遍的なかたちをしてる。それは突飛な驚きを与えるような衝撃はもっていないかわりに、静かに染み入るような味わいをもつ。
メディアスキンはデザイナー吉岡徳仁氏が思い描くインダストリアルデザインの夢を、携帯電話という現代において誰もが手にするもっとも身近なメディアにおいて体現したものだと思う。
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.Pallas Table..KGID.


Jean Prouve? Pallas Table 2003 sheet steel, ClassiCon. Konstantin Grcic.

Design Love, Photo:KGID
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..camper+Campana,Guixe&Hayon.

column:form journal HERE
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.mon cirque qee by jaime hayon...
jaime

mon cirque by jaime hayon ...column. HERE
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.Pearls from Makkum hand-painted necklace...Alexander van Slobbe.
per
オランダという国がもたらしてくれる美的な感性を刺激する全く新奇な驚きは、もはやこの21世紀に入って当たり前のお家芸のような体裁をたもっている。
最近目にしたオランダの老舗陶磁器メーカー、ロイヤル・ティヒラー・マッカムが作るネックレスにはまさに現代の工芸品といったおもむきが備わっている。

デルフトブルーの美しい色合いをした絵付けを施されたポーセリンによる美しいネックレスには、同じくロイヤル・ティヒラー・マッカムによって作られたヘラ・ヨンゲリウスの2001年の名作「デルフト・ブルー・Bセット」をモチーフとした、スーベニール・ネックレスがある。昨年秋にリリースされた「Pearls from Makkum hand-painted necklace」は同じくオランダのデザイナーアレクサンダー・ファン・スロベAlexander van Slobbeによるものだ。ファン・スロベはオランダのロッテルダム生まれ。1984年アーネム芸術アカデミーを卒業。日本では原宿にあった「SO」のデザイナーとして有名だ。

シルクのシューレースに貫かれたポーセリンは6つ。円形や多面体、あるいは半円形や円盤型のものまで形はさまざま、それぞれがデルフトの美しいブルーで描かれ、風車や伝統的な植物のモチーフ、リニューアルされた王冠の載ったMがあしらわれたマッカム社のモノグラムが描かれたもの、エスニックな風体をした鹿のモチーフ、繊細の線画のマッカムのロゴなど、古いものとまったく新しい感性に支えたれたマッカムの確かなポーセリン作りの技術と絵付けの技巧のたくみさが、アレクサンダー・ファン・スロベの卓越したもの作りのインスピレーションによって新鮮な印象を与えられている。
老舗陶磁器メーカーとオランダという国に生まれた世界を舞台に活躍するファッションデザイナー。このポーセリンネックレスには、いにしえと今を結びつける確かなきずなとなって今の時代に生きる豊かなストーリーをまたひとつつむぎ出している。


Photo:MOSS Gallery
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..Lladró Re-Deco collection...Jaime Hayon.
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先日のmetabolismさんのスペインリポートにありましたが、スペインのデザイナー/アーティスト、ハイメ・アヨンがスペインに本社を持つ陶磁器メーカーLLADROリヤドロのアートディレクターに就任した。日本でも人気の高いリヤドロの歴史は1953年に始まる。ホアン、ホセ、ビセンテのLladro3兄弟が創業者となりバレンシア近くの町にポーセリン作りのための小さなアトリエを持つ。その作品はポーセリンのためのアート作品と呼ばれ、絵画や音楽と同じように人々にやすらぎと小さな夢を与える価値のあるものだ。リヤドロの作品は高い技術を持った美しいレースのような繊細な花びらで知られるように、一見して精緻、そしてロマンティックである。リヤドロ3兄弟の目指した夢のあるポーセリン作りとその精神は現在では彼らの子供たちに受け継がれている。

そんなリヤドロのアートディレクターに就任した現在バルセロナを拠点に活動するハイメ・アヨンは、ストーリーとでならした自由な感性で、いかにこの格式と確固たるスタイルを持った陶磁器メーカーをクリエートしていくのか?
2007年1月にパリで開催された家具見本市Maison et Object Paris でお披露目されたアヨンの手になる新生リヤドロのコレクション「Re-Deco」は、伝統と継承するべきものを踏まえたうえで愛らしくも力強い新しい世紀のリヤドロ、と呼ぶべき斬新さをたたえている。そこに見られるのはもはや伝統ばかりではなくそれを越えていこうとする若々しいエネルギーにみちた本物の野生である。それは天性の感性とも言うべき荒々しさにみちていながら真に現代のリアリティを獲得している。リヤドロの伝統的なデザインに施される銀の装飾は、ポーセリンの素焼きに透明な釉をかけプラチナをほどこしたもの。

伝統の中に見られる新しさは時にちぐはぐな印象を拭いえないときがあるが、ここにあるのは過去を知り尽くしたもののみが作り上げ得るオリジナルなストーリーの始まりである。
伝統的に立像のモチーフを得意とする既にコレクターの多いリヤドロのコレクション。ハイメ・アヨンのディレクションによる新しいコレクションはヨーロッパでは3月下旬に、日本にも秋には上陸するという。夢のあるリヤドロのコレクションは新しい才能を得て確実に深化していくことだろう。

http://www.lladro.com/
photo:http://www.hayonstudio.com/home.php

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..SAKE8..Konstantin Grcic...2-1.
sake8.

遅ればせながらコンスタンチン・グルチッチがラベルをデザインした、SAKE8山廃仕込純米酒を通信販売で購入した。2005年秋というから約1年半程前に話題になったことは憶えている。しかしその時は酒も嗜まないし、どこで買えるのかも分からずにいたので見送ってしまっていた。最近になってふと思い出してWEBで検索してみるとしっかり製造元で通販していることが分かった。酒の入ったボトルというもののデザインは何故か昔から好きだったし、SAKE8のボトルに選ばれた濃いブラウンの色合もいい感じだ。グルチッチが青森の八戸にある八戸酒類株式会社八鶴工場のためにデザインをおこしたということも興味深いいい話だと思った。

まずグルチッチは自らがラベルをデザインする酒の名前を命名することからはじめたと思われる。同時に出版されたSAKE8本の中にはグルチッチの筆跡でSAKE8と記された写真が残っている。またこのリトルプレスのページにはあの有名なグルチッチのスタジオの写真も収められており、グルチッチが八鶴を前にパラステーブルで思案する姿も見ることが出来るファンなら必見の内容だ。

山廃仕込純米酒。ちなみに純米酒とは醸造アルコールを添加しないものと定義付けられている。いわゆる米とこうじだけで造られる日本酒だ。しかもつい最近まで精米の度合いを70%以下、言い換えれば米の表面を30%以上削ることが求められていたという。それだけに米の旨味をいかに引き出すかが純米酒つくりのきもとなる。その土地で収穫される米本来の旨味とその土地に流れる水が酒の味を左右し、それは風土気候に従った個性のあるその土地ならでは酒の味になる。
この青森は八戸にある歴史ある酒蔵には、八という文字は由緒ある縁起が良いものだ。グルチッチはその歴史に敬意を表してこのラベルをデザインしたように思える。
SAKE8とは八鶴蔵が造る酒の名称でもあるのだが、グルチッチを含めたこの酒のためのプロジェクト名でもある。2006年5月にはグルチッチのお膝元ドイツのハノーバーにあるケストナー博物館でSAKE8展が開催されたばかり。

また日本4大杜氏のひとつ南部杜氏に敬意を表したプロジェクトでもあるという。数字の8がさまざまな意匠で組み合わされたグラフィックデザインは和のものとも洋のものとも区別がつかず、グルチッチ作品の中にあっても一見して異色な体裁を持っているものではない。8は始まりもなく終わりもない。ふたつの円で描かれた8の数字。まさに日本の伝統とグルチッチデザインの根源から生まれいでてきた「かたち」だ。
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.SAKE8..Konstantin Grcic...
sake8

Konstantin Grcic
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