グルチッチはドイツの建築&デザイン専門誌『architektur und wohnen magazine』の今年のデザイナー賞を受賞、今のりにのっているインダストリアルデザイナーの一人でもある。
しかし日本ではプロダクトの紹介はされても、本人の紹介はなかなかされていないのが実情だ。インダストリアルデザイナーとしてはその作者よりモノ自体が広く伝わればそれでよいものなのかも知れないが、人を知ることによって見えてくるものが多いことは人間関係の面においても周知の事実である。
世界的にみてもグルチッチの作品の中には優れたデザインと機能性を兼ね備えたものであっても、メーカーの都合により廃盤になった作品も多い。グルチッチ本人も指摘していることだが、そこにはメーカーとデザイナーの円滑なコミュニケーションの不足をみてとることができる。機能的に、そして美的にも優れたアイテムの埋没。そしてそのことによる弊害も出てきているように思う。
グルチッチのプロダクト作品だが、グルチッチのスタジオ写真にもしばしば登場するスチール製のパラステーブルや、折り紙のようなグルチッチの代表作のひとつマーズチェアなどなど。今年の春からは東京のhhstyleでまとめて見ることが出来るようになりそうだ。そんなグルチッチが描く世界観を全貌を含めて紹介する時期は今が適切だと思う。
作り手そしてメーカーそうほうの努力によって救われるプロダクトの生命もある。優れたデザインも人の手に触れられ、使われて初めて磨かれてくるものである。それは日常の中で生まれてくる用の美とも呼ばれ、日々人々の心を満たし豊かにしてきたかけがえのものだ。
伝統とともに北の大地ではぐくまれてきたもの。それが青森の八戸でかぐわしい酒のかおりとともにその土地に根づきこれからも生き続けることを願いたい。
肝心のSAKE8だが5月の祭りの日に振舞おうと思っている。
http://www1.odn.ne.jp/hachituru/sake8.htm