FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

...studio Job...paper furniture
ppft

古典的な様式の家具は紙とボール紙と軽量のハニカム・パネルから出来ている。
ステュディオ・ヨブがmoooiから発表したペーパー・ファーニチャーは、その重量感溢れる佇まいからは想像出来ないが、ペーパー=紙で覆われている。紙は我々日本人には生活の道具の中に、それを取り囲む家具、そして室内装飾にしばしば使用されるマテリアルで、決して奇異なものでも突飛なものでもない。
しかし常に重厚感のある従来の西洋家具の中にあっては、その存在自体が異質であると言わざるを得ない。

そして今回ヨブがペーパー・ファーニチャーで具現化したものは、大小のシャンデリア、ヨブの作品にはしばしば見られるカントリー調のカップ・ボード、テーブル、キャビネット、クラッシックなスタイルのビュッフェ、ウォール・ミラーなど。

それらはハニカム・パネルをベースに、ボール紙を貼り付け成型し、その上から小口の長方形にカットされた紙を丁寧に貼り合わせてゆく。近づいて見てみるとその紙の張り合わせ具合がちょっとした装飾の様に見えて実に美しい。
そして貼られた紙に日常の使用に耐え得る強度を施す為に3層ものポリウレタンが、デリケートにブラシによって丁寧に塗られる。

その作品にあってヨブの手によって形を与えられ、具現化されたファーニチャーは時間のズレと空間の歪みを内包し、かたちそのものに意味が備わらなくても、ファーニチャーに付与されるイメージが現実の物として如何なくその存在感をアピールする。

ヨブの作品に見られる時空のズレは、しばしばそれを見る者にファンタジーと畏怖の感覚を抱かせるが、それが現実の消費される物と対置される時、他の消費される物には終ぞ見られる事のない、消費される物ゆえの逞しさを備えているように見えるのは何故か?
それは現代に生きる我々が豊かさの中に見失った豊かさの亡霊を捜し求めている限り決して見つける事の出来ない何かであろう。
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.ronan et erwan bouroullec...collection for vitra office 2006.
reb2

http://www.bouroullec.com/


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...hella jongerius...bovist is...
bovist


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...MARTI GUIXE...ex designer...2-2.
mg2

ベルリンとバルセロナを行き来し、その場所ではなく心というイメージのうちに内省的なデザインの為のヴィジュアルを確立する。
ギセはボヘミアンのような暮らしの中に、ものの価値に根ざしたシステム作りの為のプロセスを模索する。情報は最早リアルにそこに居なくても、インターネットやマス・メディアを通して今ここに居る自分が必要としているだけ手に入れる事は可能だ。

マルティ・ギセはFOODのプロジェクトの中で、食べ物は消費されるものの代名詞である事を再定義する。食べ物は食べるという行為のうちに完結される物としてのストーリーを宿している。食べ物を消費される物として理解しない人はいない。それは言い換えれば消化されるものの事でもある。食べ物は消化され活動する為のエネルギーに転化する。

2005年マルティ・ギセがディレクションを担当し、アムステルダムの芸術学館の一階に開設したレストランはFood Facilityと呼ばれ、そこには厨房がなく、お客は市内にあるレストランのテイク・アウト用メニューを渡され、レストランのフード・アドバイザーが食品についての綿密な知識と配達時間を指示し、フードDJが配達、フード・アドバイザーによって給仕された。
その風変わりなレストランはGoogleのロボット型検索エンジンに着想を得ており、コンピューターが世界中のウエブで公開されている情報の中からキーワードに沿った必要な情報を得るように(Googleがインターネット上にある他の情報源から検索エンジンによって必要な情報を得る事から着想を得ており、)ギセのレストランは必要な情報をお客に提供するウエブサイトになる事によって、他のレストランからの料理の提供を受けてレストランとしての体裁を保っている。

1997年にスタートした食べ物に関するリサーチをまとめた「GuixéCookbook」という著作もあり、スペインという食の宝庫である国に生まれ、豊かな食文化の中で育まれたギセの感性は食についての膨大なリサーチの中から新たな消費の概念を見出す為のリサーチに余念が無い。

http://www.bytrico.com/onlineshop/category_label_html/marti.html
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...christien meindertsma...FLOCKS...
FLOCKS

www.kakitsubataweb.com


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...MARTI GUIXE...ex designer...2-1.
tapes

食べることを最大の消費活動と捉え、物の起源を食の起源に結び付けて考える方法を考察する。
マルティ・ギセは1964年スペイン・バルセロナ生まれ。バルセロナとミラノでインダストリアル・デザインの専門的な教育を受け、1994年から2年間ソウルとバルセロナを行き来しながらデザイン・コンサルタントとしての仕事をこなす。
1997年のSpamtというトマトを素材にした軽食に関するリサーチに基づくインスタレーションからマルティ・ギセとしての活動をスタート。2000年にはドロ−グ・デザインのdo creatにも参加する。

同じく2000年に発表されユトレヒト・セントラル・ミュージアムにも収蔵されている、マルティ・ギセの名を一躍有名にした「フットボール・テープ」は、先に発表されたAutoband テープのコンセプトを派生させたものである。サッカーボールのパターンをビニール・テープで表現し、それで包む全てのものをサッカーボールという概念の中に収めるユニークでアヴァンギャルドなプロダクトである。ビニール・テープのプロジェクトにはあからさまなまでのコンセプトという概念の骨格が貫かれている。

彼はプロダクトを生み出すデザイナーという天から賦与された才を、蹴ってまでコンセプト重視のものとの関わりを標榜するのは何故か?
最近はEX-Designer=元デザイナーと自称するギセは、形より機能を重視し、物に対置するギセの方法論はアンチ唯物論、物に根ざした考え方を否定する事のうちにある。
それは押しなべて物との関わりを否定することではなく物とのかかわりの内に物本来の価値をリサーチし、物の既成のかたちではなく、そのものがあるべき素材に興味を抱く事に直結する。
消費者の消費行動の綿密なリサーチは、自らが模範的な消費者であることから理解されうる消費される物の統計に基づく情報開示の上にこそ成り立つ。

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http://metabolism.jugem.jp/?eid=218
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...exhibition during design week Tokyo at hhstyle...hella Jongerius...
hjehh

ヘラ・ヨンゲリウスの日本に於ける初の個展は、ヴィトラ社から既に発表されているホーム・コレクション、ポルダー=干拓地と名付けられた巨大なソファの新色の展示、そして2007年に発売が予定されているハンドルの付いたクッションThe Handles、そしてシングル・ソファのThe Workerのお披露目を兼ねて開催された。
ヴィトラ社からは先のポルダー・ソファ、コンピュータ制御されたシステムによる凝った刺繍が施されているクッション・スツール・ボヴィスト、MOMAにも収蔵されているアメリカのマハラム社とのコラボレート作品であるテキスタイルを使用したクッションが既に発売済だ。

今回の展示はその他にも日本初披露となるヘラのアトリエ、ヨンゲリウス・ラブのアート・ピース作品も多数出品され、マニアにも見応えのある展示になっていた。
中でもヨンゲリウス・ラブのアトリエでスタッフが一点一点ハンドメイドで製作するニードル・パンチのタペストリーは、海外でも展示される機会は稀で、今回これだけの数が一同に会することはここが遠い東の国、日本である事を考えてみれば奇跡に近い事だ。それはひとえに今回のエキシヴィションを主催しているヴィトラ社そしてインター・オフィス=hhstyleの蜜月に満ちた関係性によるところが大きい。
日本でのヘラ・ヨンゲリウスの商品展開に関してはヘラ側からの希望、ヴィトラ社から発表されているホーム・コレクションを含めての総括的な展開が望ましいという意向を尊重しての事であると聞く。

今回の展示で特筆すべきは日本で製作されたヨンゲリウス・ラブによる什器とタペストリーだろう。生の木肌の美しいボックス部分と着色された脚部を持つカップ・ボードは、今年春にNYのmossギャラリーで開催されたヘラ・ヨンゲリウスの個展Layersの為に制作されたThe Workerソファの派生型Backpackerとカップ・ボード、そして同じく今年の5月から8月までオランダの高級住宅地区LarenにあるSingerLarenミュージアムで開催されていた、Singer Laren LIVE!での骨董家具とオランダ風景画を使ったインスタレーション、Haagse schoolの為に作製された什器に由来するヨンゲリウス・ラブの新基軸である。
ハンド・メイドのタペストリーはオーダー・メイドにて購入可能だが、今回のhhstyleに於ける展示の為に特別に制作されたものも多い。ヨンゲリウス・ラブによるカップ・ボードとのバランスが実に美しい手工芸品的要素の濃いまさに芸術作品である。

エキシヴィションは終了してしまったが、今回の展示がヘラ・ヨンゲリウスの日本での認知度を高め、デザイン・マニアに留まらず広く一般層にまで浸透する事を願いたい。
個人的にはヘラ・ヨンゲリウス自身の手応えがどの程度であったのか直接本人に伺ってみたいところである。

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...Marti Guixe.....life is ordinary...
...Martie Guixe.....life is ordinary...


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...Joris Laarman....Poetry of concrete...2-2.
jl

ガラス繊維でコーティングされたコンクリートをマテリアルに使用し、内部には通常床暖房に見られるアルミニュウム管が通る。
コンクリートという素朴な素材の表情が、ものとしての存在感を一層強調すると共に、ラールマンが作り出すデコラティヴな要素を支える重要なファクターとなっていることは疑う余地がない。  
『ヒート・ウエイヴ』は歴史的な背景を担ったヨーロッパの伝統的な住環境と、現代的な感性とのマッチングの上にこそ成立する、物本来の姿の探求に於ける極めて冒険的なチャレンジとも言える。

彼にとって作品の構想を生み出すことは容易いことのようである。
近年ラールルマンは作品作りのそのプロセスの方に重きを置き、それが如何にどのような製作会社で、合理的な方法でプロダクトとして生産され得るのかという難問にチャレンジしているという。機能というものを考えそれを徹底的に再構築する事の上に成り立ったラールマンの出世作『ヒート・ウエイヴ』は、環境にとってよりクリーンな温水ヒーターとして今年の暮れにベルギーにあるJaga社により量産化されるという。

Jaga社は、健康的で環境に優しい、という文化的な思考をもって事業を展開する、世界的なラジエーターの専門メーカーである。
また美的な観点からラジエーターを捉え、ヨーロッパの住空間に馴染み深いこの暖房器具を、人間がより良く快適に暮らすための生活と、ステータスの道具にまで高めるインテリジェンスの両面から新たなオブジェとしてのラジエーターを提案している。
現在ヨーロッパはもとより、オーストラリアや中国・日本にまで輸出しているという。

このような世界的な企業とのコラボレートにより、ラールマンの個人的な思索の中から生まれたアーティスティックな気風に満ちたオブジェが、どのような進化の過程を経て世界的なプロダクトへと変貌していくのか、これからが楽しみな作家である。


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...hella jongerius...in...
hje2


http://www.hhstyle.com/
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