灯りにまつわる美しいものたちをみた。
現在、神田神保町の51% Tokyoで開催中の「暮らしと灯り」展には、暮らしのなかで見落としがちになる、灯りと人の暮らしの関係性を静かに見つめるためのオブジェクトたちが、端正な美しい空間に展示されている。
板状の有機EL照明によって綿毛自体が光を発しているようにみえる、タンポポの綿毛を透明なアクリルの中に封じ込めた井上隆夫さんによるオブジェ。これは倉俣史朗のアクリル作品も手がけたことでも知られるアトリエによる、時を封じ込めた彫刻のような作品。有機EL照明は、この奇跡的なオブジェを楽しむために考えらたもの。
鉄作家である田中潤さんの灯りをともすための器には、菜種油にひたされたキャンドルのしんから、ほのかだが、力強い灯りがともっている。
工芸やデザインに関する古書は、神保町に店を構える古書店ボヘミアンズギルドによるものだ。現代美術家 大竹伸朗の作品も出品している。どれもすべて一点ものに近いが、ほぼすべての展示品が購入することができるのも嬉しい。
ぜひ、夕方から夜にかけて、あたりの街が闇に沈みかけた頃あいに訪れて、灯りとオブジェクトたちがつくりだす、贅沢な時間を楽しんでみてはいかがだろうか。
「暮らしと灯り」
開催中〜11月10日(日)12時〜20時 木曜休
51% Tokyo
東京都千代田区神田神保町1-37 1F