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浅草松屋改装
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浅草松屋の改装が進んでいます。昭和40年代に設置された外壁を覆っていたパネルが取り外され、昭和6年竣工当時の外壁が現れています。

設計は大阪難波に今もある、南海ビルディング(南海難波駅)を手がけた久野節建築事務所。二つの建物には、それぞれ南海鉄道、東武鉄道と鉄道が乗り入れるビルであること、東武鉄道のコンコースとホームのある二階部分の半円形窓、外壁の乳白色のテラコッタタイルなどに共通点がみられます。それは久野がもとは鉄道省の技師で、初代建築課長であったことと関係しているのかもしれません。
外壁のところどころに繰り返し見られるこて絵風装飾が見事で、なんとも素敵です。半円形のアーチ状の窓といい、どうしてこれらが外壁パネルによって隠されなければならなかったのか不思議でなりません。

浅草松屋は昨今の景気後退による百貨店の不振の例に洩れず、屋上遊園地も一昨年閉鎖され、テナントも空きばかり。そんななか経済的な状況もあると思いますが、建て替えではなく、もとの状態に戻すこの方向性はいいと思います。

浅草には松屋と同様に、昭和40年代に味気ない外壁パネルを取り付けられたままの古いビルや建築が六区などにまだまだ残っていますので、この流れにのって乱歩や荷風が愛した、張りぼてでない、本物の浅草モダンの復元が進めばいいなと思います。
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