FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

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マッカムのピラミッド
mk

オランダの陶磁器メーカー、ロイヤル・ティヘラー・マッカムより今年のミラノサローネの案内が届いた。今年のタイトルは「ピラミッド・オブ・マッカム」。

マッカムのピラミッド、という意味だろうか?案内にはヘラ・ヨンゲリウス、アレキサンダー・ヴァン・スロベ、ヨルゲン・ベイ、スタジオ・ジョブというマッカムではお馴染みのデザイナーの名前がある。作品は墨のシルエットで描かれ、ヘラはトーテムのような感じのシルエットが描かれ、スロベは王冠の載ったチェア、ヨルゲンは逆さにしたトーネットの椅子のようなものや管楽器のようなもの、ジョブはやかんに湯気のでたポットなどなど。それらがいったいどんな焼物に仕上がっているのか、まったく想像もできずに興味をそそられる。

[・・・challenged our craftsmen with their contemporary interpretation of 17th century flower pyramid] 現代的な解釈による17世紀の花のピラミッドとは?
オランダの17世紀のデルフト焼きにはフラワーピラミッド(通称、チューリップベース)と呼ばれている焼き物が存在する。今回のカタログを見る限り、それを忠実に再現しているように見えるのはヘラ・ヨンゲリウスの作品だ。
トーテムポールのようにさまざまな意匠が積み重なった焼き物。想像の域をでないが、それらをピラミッドに例えているのだろうか。しかし、17世紀にそれらは実際にオランダのデルフトに存在した。

今回のサローネで発表されるマッカムのピラミッドは、4月のミラノのあとはオランダのマッカムのフラッグショップ、そしてオランダのエンクハウゼン、アイセル湖畔にあるゾイデル海博物館、ニューヨークのモスに巡回するようだ。
シルエットで見る限り、一連のスタジオジョブの近年のアート作品を彷彿とさせる、ユニークピースであることは間違いがなさそうだ。

今年も恒例のミラノサローネを目前にひかえ、デザイン熱も少しずつ上昇してきた。しかし昨今の異常なほどのミラノサローネの狂騒ぶりは、少し滑稽でもあり、毎年訪れている一部のデザインフリークからも、冷めた意見が聞かれたりすることもある。
実際、いかにも速いペースで注目のクリエーターの新作を目にすることができる幸運はありがたくもうれしいことだが、そのペースがデザイナーたちの創作意欲のペースにむすびついているのか疑問もある。
経済がクリエーティヴさを凌駕していないか?

ともかく、オランダの老舗陶磁器メーカーの冒険は、いまやアートの領域に入りつつあるようだ。
これを見て、デザインとアートの交わりはますます加速していき、もしかしたら日常のオブジェというあたらしい機能というジャンルが、一般的になる日もそう遠くはないのかもしれないと思った。


Royal Tichelaar Makkum presents
Pyramids of Makkum

April 16-20 , 2008 salone del Mobile

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comment
いつもこちらのブログを拝見しています。去年のサローネと比べて、今年の注目はなんですか?今年はぜひ行ってみたいのですが、会場では私のような一般の人も入れるのでしょうか?またミラノでおすすめのところなど教えていただけますか?
2008/04/04 12:33 AM by yh
yhさま

はじめまして。いつもどうもありがとうございます。そしてコメントどうもありがとうございます。
ミラノサローネについて、少し調べさせていただきました。
一般の方だと16日から20日の期間中、最終日の20日のみ、チケット購入でご覧になれるようです。若手デザイナーなどが参加する、サローネサテリテは期間中一般の方もご覧になれるようですよ。詳しくはこちらをご覧になってみてください。
http://www.milanosalone.jp/fiera/satellite/gaiyou/
yhさんはサローネに行かれるのですね。うらやましいです。
個人的注目はオランダのデザイナーです。今回ブログにも書きました、マッカムは毎年楽しみにしています。昨年のディク・ファン・ホフの展示もぼくは写真でしか見ていませんが素晴らしかったようですよ。スタジオ・ジョブとか今年もど派手になにか見せてくれるのでしょうか?
ヘラ・ヨンゲリウスの七宝も出展されるとのうわさをきいたのですが、それも含め、日本のデザインや技術がミラノでどのように評価されるのかが気になります。
とにかく世界最大のデザインイベントですから、どんなデザインが紹介されるのか興味は尽きませんね。個人的には日本のE&Yさんがとても気になりました。
2008/04/04 2:54 AM by FORM
ミラノサローネ、ミラノ郊外にある本会場(フィエラ)での開催はたしかに16〜20日で一般入場日は最終日のみですが、ミラノ市内(フオリ)でもこの期間には無数の展示やイベントが開催されます。ほとんどは入場無料で、会期中は誰でも観ることができます。
まず会期中にインテリアショップなどで配布されるインテルニガイドという無料の冊子を入手して、そこに載っているブランド名やデザイナー名であたりをつけ、散在するショールームなどの展示会場をかたっぱしから回るのが基本。主要ブランドのショールームの多くは新作展示をしてますし、ギャラリーや特設会場でこの時期のみの展示をすることも多いです。
特に市内のzona tortona(トルトーナ地区http://zonatortona.com/inglese/index.htm)は特設会場が密集してます。毎年moooiやtom dixonなどの有力ブランドが出展するSUPERSTUDIO PIUという複合会場や、トクジンなどが参加するスワロフスキーの会場もこのエリア。去年は、トルトーナの中でも、古い工場をリノベーションしたExAnsaldoという一角がヤバかった。マルセルのソロやmossのジョブの展示がありました。
あとrossana orlandi(http://www.rossanaorlandi.com/)ではヘラのSHIPPOやハイメ新作やアイントホーフェンの展示がされる噂ですし、established & sonsも市内で例年大規模な展示をします。ミラノ最大のデザイン施設、トリエンナーレもいくつものエキシビションがあります。
しかし世界中からデザイン関係者の集まるこの時期のミラノ、今から市内にホテルをとるのは至難の業。まずそこからではないでしょうか。

個人的にはMartino Gamper、Max Lamb、Julia Lohmann、Clemens Weisshaar & Reed Kramあたりの世代のデザイナーの新作を楽しみにしたいと思っています。

2008/04/05 9:11 AM by チャンピオン
チャンピオンさま

コメントどうもありがとうございます。
すばらしくナイスなフォロー、感謝です。やはり毎年行かれているかたは頼りになります!訪れる日に向けて予習させていただきます。今年はソットサスの追悼展とかはないのですかね?
クレメンス・ワイスハールはグルチッチ組の若手ホープでしたね。まだまだ行かなければ分からない新ネタ、楽しみにしています。
2008/04/06 12:58 AM by FORM
毎年、というほどでは...。ちなみに本会場の一般入場日は20日ですが、会期は21日まででした。訂正。

でもこれくらいネットが発達すると、情報としてみるなら、わざわざ行かなくてもいい気もします。個人的には狂騒ぶりが好きなので、楽しみにしてますが。
2008/04/06 1:51 AM by チャンピオン
チャンピオンさま

そんなお話をしましたね。でも、そこに実際に身を置かなければ感じられないもの、そして得られないものは多いと思います。
たとえば今日ご紹介させていただいた、ガラス作品にしても、目で見て、触ってみないと得られない作品にこめられた作り手の熱、のようなものは、ただインターネットの情報としてだけでは得られませんよね。しかも批評的な目でそれらを見ることは誰にでもできることではないのではないでしょうか?
意外やお祭り好きなチャンピオン氏。今年は三社祭にもぜひ来てください。
2008/04/06 2:02 AM by FORM