FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

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DEROLL . Commissins Series・・・・・・1 : box
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デザインタイドのイベントも残り1日。今日はhhstyleを見学した後に、案内を戴いていた知人の岡田さんが企画したエキシビションを見に、表参道のars galleryにお邪魔した。昨晩久し振りに再会したばかりだったが、岡田さんはさわやかな笑顔で出迎えてくれた。挨拶もそうそうに作品を拝見することに。
今回の展示は'70年代生まれの若手建築家5人に氏自ら作品制作を依頼したものだという。氏が建築家たちに提示したものは「箱」、というテーマがひとつのみ。
気鋭の建築家たちは建築ともアートとも異なる自身の解釈によって「箱」を表現していた。

中山英之はレンズが取り付けられた四角い箱、カメラを制作した。光の3原色であるRGBにレンズが捉えた物体が分解され、それが時間のディレイ装置によってリアルタイムにも数秒数分、そして数日単位のズレを生じさせ再生させるというもの。モニター上の同じ画面に昨日と今日、そして今が同時に存在するという、シュールな映像が表示される。

石上純也は丸テーブルの上にシルバーで作った様々な形をした小さなうつわを展示した。そのテーブル自体が作品になり、うつわの中には植物の種や花びら、そして草が活けられ、もしくは散りばめられた。それはかわいいいと綺麗、という分かり易さとともに不可解な謎をも生じさせる、人間の心理と視覚に訴えかける不安のようなものを表現しているように見えた。ちょうどそれは映画ブルーベルベットで描かれた極彩色の花のように。

長山祐子の箱は紫外線硬化樹脂を使った透明のキューブをふたつにすっぱりと割って、その中央にハーシーズのチョコレートや、夢の中の家、そしてサイコロや鉛筆や指輪など、子供が大切にしている思い出の様な風景を封じ込めた。それは個人的な記憶や夢といった曖昧なものを、人間の無意識の地層深くに響くような静かなやりかたで表現している。

中村竜治の箱は、わずか0.3ミリの樹脂の糸を繊細に紡いだ箱の家を作った。シャープペンシルでひいた程度の細さの樹脂で編まれた家は、見る角度で輪郭を持った一つの箱にもなるし、ぼやけたもやののような、その存在自体が消失するような錯覚をもよおさせる。まるでそこに収められた、息絶えていく蝶の記憶のように。

山口誠はホワイトオークをオイル仕上げした5つの大きさの異なった入れ子の箱のようなものを作った。なんの凹凸も、とってもない箱。それは取っ手を持たない引き出しであった。マグネットで結合する付属の取っ手をある側面に近づけると、箱は音もなく開いて、また何事もなかったかのように元の箱に戻る。

普段、家や家にまつわるものを手掛けている建築家たちは、ディレクターである氏の依頼とその意図をどのように感じ汲み取ったのだろうか。

家とは言い換えれば人が住む箱であり、それは雨風や今では他人からの攻撃から身を守るための防御のための砦であったりする。
若い建築家たちが表現する箱にはそれぞれが思う家そのものの思いが込められているようで、それぞれの解釈が面白い。
今年のデザインタイドも残すところ1日のみ。最後の最後でもっとも素晴らしい展示に出会うことができた。


DEROLL . Commissins Series・・・・・・1 : box
Exhibition:
ars gallery (Tokyo)
11月4日(日)まで開催
※会場で販売されているカタログも素晴らしいです。是非

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