FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

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.as an object to sublime...Hedi Slimane.1..
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最近話題の写真集「ポートレート・オブ・ア・パフォーマー・コートニー・ラヴ・エディ・スリマン」は伝説のロック・シンガー、コートニー・ラヴを現在ディオール・オムのクリエイティヴ・ディレクターを努めるエディ・スリマンが撮り下ろした小さな写真集だ。
2500部限定のこの作品集の中にはスリマンのDiorでのコレクションを着たコートニーの静かだが激しいパッションがモノクロのフィルムに切り取られている。
コートニーの時に少女のようで、時に裏道から出てきたばかりの野良猫のような表情はロックという音を抜きに語ることが不可能なくらい激しいリズムを伴って響いている。

生きることはこんなにも美しくて切ないからスリマンはカラーフィルムではなくモノクロのフィルムに美しい一瞬のひと時を閉じ込める。

感情はエモーションと直結するものだからそれを表現する為には音楽は不可欠だ。

私達の世代がいだく思い出にはいつも音楽が鮮明に結びついている。

だからこそスリマンが音楽とともにあり、その描く世界感に錆びた音楽のような古びた風景を結びつけるのは、スリマンが思い描くファッションの世界と、このあやふやで不確かな刹那の世界を遠近法的に見ることが慣れっこになってしまった少年の澄んだ、そして野蛮な感性を備えているからにほかならない。

少年は時にロマンチックでセンチでいて、時に凶暴で粗野なままの砂のようなものだ。
手を伸ばせば届く距離にいながら決して届かない刹那な存在の象徴でもある。そこにあるものは手の指の隙間からこぼれおちる忘却以外のなにものもそこに残さないひとときの風景のようなもの。

そこにあるものはただひたすら畏怖する存在の対象としての自然に置き換えることが可能な崇高ななにものかにほかならない。
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