FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

memo. ローカルとグローバル
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・情報化が高度に進み世界は細分化され、価値観が多様化したことで、現代ではかってオリンピックや万博などで人々が思い描いたような、皆がひとつの目的にむかって熱狂するような、「大きな物語」が描きにくくなったといわれる。

・だが、18世紀の産業革命の時代にもグローバリゼーションの大波は起こり、世界は一気に均質化の方向へむかうと危惧された。

・そこでそれに対するひとつの抵抗運動、芸術家からの返答として興ったのがウイリアム・モリスによるアーツ&クラフツ運動であり、それがそれぞれの地域性を残しながら世界中に広がっていったのが、アールヌヴォーであり、ウィーン分離派、デ・スティル、バウハウス、民藝運動などであった。

・そこではからずも浮かび上がったのが、産業革命という均質化を端緒に、ローカリティが強調されたこと。

・そのように現代においても、情報化によって逆に個々の違いがはっきりと見えてくるようになったおかで、それまで個別なものとしてしか存在していなかった、ローカリティ溢れる文化を知るきっかけが前より増えたともいえる。

・昨今のライフスタイル重視、あるいは民芸やみやげものブームには、このようなグローバルな内容をもった、ローカリティあるものが、新しい価値として浮上してきたという背景があるように思う。
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