FORM_Story of design(... Kato Takashi weblog)

..mingei 1. MINGEI X LANDSCAPE PRODUCTS.
民芸2

先日栃木県益子を訪れてから民芸について考えていた。
そもそも民芸をデザインと関連つけて考えるようになったのは、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるイームズ自邸に集められた世界中の工芸品に美しさを発見してからだろうか。
またその認識を決定つけたものは2003年に開催された「民芸とランドスケープ・プロダクツの出会い」展だった。アサヒビール大山崎山荘美術館で開催されたこのエキシビションは、民芸の創始者である柳宗悦の用即美(用の美)に発する民芸の運動により発見され構築された精緻な美の概念と、マン・メイド・オブジェクト(人の手が作り出した物)をコンセプトに世界中からの物のセレクトもする東京のファニチャーレーベル、ランドスケープ・プロダクツとの精神的なコラボレーションでもある。

そこでは民芸運動を支えた富本憲吉や濱田庄司、河井寛次郎、芹沢げ陝∪祥里らはバーナード・リーチらの作品。その他には当時リアルタイムに民芸の運動との人と物との有機的な関わりを持ったイームズやリーチ、ルーシー・リー、遠く北欧にあって民芸の作家たちとも関わりをもったヴィルムヘルム・コーゲやバートン・フリーバーグ、スティッグ・リンドバーグらの作品。

遠方ということもあり実際には訪れてみることはできなかったが、エキシビションに合わせて作成された図録を見ると、東洋の小さな、陶磁器文化のいささか遅れてやってきた日本という国に興った民芸運動を、西洋文化との関連のなかから捉えた、今から思えば少し早すぎた刺激的なエキシビションだったようだ。
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アダム・シルヴァーマンと日本 .2.
そら

陶芸には土をこね、整形し、下絵や上絵を施し、釉をかける、人智のおよぶ作業の他に、釜で焼くという人手から隔離された未知の作業がある。
それだから陶芸の中に偶然生まれた美は他力の美とも呼ばれ、それは柳宗悦が唱えた民芸の基本的な美の概念ともつながる。

アダムが住む街ロサンジェルスにある工房アットウォーター・ボッタリーはそんなアダムがたった1人で切り盛りする作陶するためのスタジオだ。そこには作陶のための道具が身近にそろい、あたかもパーソナルな秘密という謎を含んだ錬金術のための基地のようにもみえる。
妻でアーティストのルイーズ・ボネットとの競作になる陶器に刺繍を施した作品は、制作数は少ないものの秀逸でアダムの代表作の1つだ。そこにはカリフォルニアという広大でネイティブなスピリチュアルな感性に満ちた土地のニュアンスが如実に反映されていて興味深いものがある。

ゆくゆくはこんな街中ではなく、ローカルな人と自然が共存する陶芸以外になにもない環境でのストイックな作陶のためだけの環境を持ちたいと願うアダム。今後50年をかけて継続していくアダムの陶芸を巡る旅に終わりはない。

彼の作る作品にはぬぐいがたい人の手が作り出す痕跡のようなものが染み付いている。
それは1人の人間が力強く生きることによってしるされる生きることの証でもある。私たちがアダムの作品に見て触れ、実際に使用して楽しむことが出来る事実は、彼と同時代に生きる私たちの小さな奇跡でもある。


*写真は今年の春の益子の空です
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アダム・シルヴァーマンと日本 .1.
益子のい

自らのライフスタイルをその生業(なりわい)に投影すること。アダム・シルヴァーマンを語るときに、彼があのアメリカ西海岸のストリート寄りのファッションブランド、XLARGEの創設者の1人であることを引き合いにだすまでもない。2007年春の今、彼はそのストイックでタフな作風の陶芸家として世界的に知られた存在だ。
ファッション業界のビッグビジネスの中で彼が学んだことは、あらゆる人と物との複合的な関連の中で自分というものを鮮やかに保つための手段と、その反動としての全ての工程を1人で取り仕切る、極めてシンプルなライフスタイルという今のその生き方なのかもしれない。
アダム・シルヴァーマンは1963年ニューヨーク生まれの陶芸家だ。大学では建築を学び、店舗設計なども手がけたことがあるという。

土に触れ、土をこね、土から与えられるものを懸命に模索するその過程は、その土が採られた土地そのものを知る過程にほかならない。
だからアダムが2005年に初めて日本の益子を訪れ、敬愛する陶芸家の1人である濱田庄司の轆轤や彼が使った窯、庄司が世界中から集めた工芸品を間近にみ、実際にその益子の土に触れたことはアダムに資料や書籍から得られ以上の感銘を与えたことは想像にがたくはない。
日本で得た刺激を受け自身の作品に反映させるアダム。伝統は時に自由な創作のための足かせとなることがあるが、こと陶芸の道においてそれはその土地を知るための有用な手がかりになる。

先日益子で出会ったアダムは自身の陶器作品の底面、高台内に益子の益が刻まれた作品を見せてくれた。そこには消費という言葉ではかたづけることのできない、情緒的な人間らしいヒューマニズムの精神が溢れている。
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..Adam Silverman in Mashiko. Starnet zone.
Adam Silverman. Atwater pottery http://www.atwaterpottery.com

Adam Silverman. Atwater pottery http://www.atwaterpottery.com

2007.4.14(sat) - 5.6(sun) Starnet zone, mashiko
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